海底大陸

58話 やあ! ラスキン大尉

1,032字 約2分 2013年5月17日 公開

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 おびただしい光弾に照らしだされた、はげっちょろのクイーン・メリー号!

 その甲板の上には、ぶよぶよした大きなまるい頭が二、三百、嘔吐(おうと)をもよおすほどの不気味(ぶきみ)な光景をていしながら、ごったがえしてもみあっている。

「おい、へんなことになってきたぞ。どうしようか」

「フネをかえしてやったのに、なんだかおだやかでないことをやるじゃないか」

「ロロー殿下に相談してみよう。その上でわれわれの態度をはっきりきめようではないか」

 などといった意味のことを、海底超人たちはくちぐちにさけびあっているのであった。

 こっちは事務長クーパーである。

 かれは船底無電室にいるパイクソンをはげまして、外部との無線電話を、事務長の部屋から送受できるように、電気回路の接続をかえさせた。

 それがうまく開通すると、かれはさっそく救援にきてくれた空軍と連絡をとった。

「え、あなたはラスキン大尉!」クーパーはびっくりして声を大きくした。「ああ、おなつかしいことです。わたしは事務長クーパーですよ。あなたの家とわたしの家とは、同じグラスゴー市のスター街に向きあっていましたね。よくきてくださった……」

 ラスキン大尉は、機上からクーパーたちに元気をつけ、

「こんどこそは『鉄の水母』も、それから、その眷属(けんぞく)だという怪しい生物も、いっしょにやっつけてしまいます」

 と、(いさ)ましい口調でいって、

「しかし、よわったことに機上から見ると、その怪物どもは甲板にうようよしているばかりで、逃げださないのですよ。このままではまさか爆撃するわけにもいきませんね」

「しかし、ラスキン大尉。なんとかして、この怪物どもを甲板から追っぱらってください」

「じゃ、やむをえません。非常手段を用いましょう」

「えっ、非常手段。空中から本船を爆撃するのじゃありますまいね。そんなことをすると――」

「もちろんせっかくもどってきたメリー号を破壊するようなことはしませんよ。催涙液(さいるいえき)を空中からまきます」

「催涙液? ああ、あの液のことですね」

「そうです。ですから船員や乗客たちは、すこしもはやく船内に避難(ひなん)するようにいってください。そして戸などをかたくとじて、液やその怪物が船内にはいりこまないようにするんですね。よろしいか」

「ああ、よくわかりました。ではあと十分間に、総員を船内に避難させます」

 空中から甲板にむかって液をまくとはたいへんいい考えだ。これで安全性がふえると、クーパーは、うちょうてんになってよろこんだ。

 ただちに、船内くまなく警報は発せられた。

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