序 私達の友人は既に、彼の本性にかなはない総ての物を脱ぎ棄て、すべての物を斥けた。そして彼自らの手で紡ぎ、織り、裁ち、縫ひ上げたところの、彼の肉体以上にさへ彼らしい軽羅をのみ纏ふて今、彼一人の爽かな径を行つてゐる。 他の何人に対してよりも、自分自身に対して最善の批評家であるところ…
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初出 — 秋刀魚の歌「人間 第三巻第一一月号」1921(大正10)年11月1日発行
底本: 現代日本文學大系 42 佐藤春夫集(筑摩書房)
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