犠牲者

平林 初之輔 完結 全3話 1.8万字 約37分 2009年4月12日 更新

一、小さな幸福 中学の課程すらも満足に了えていない今村謹太郎にとっては、浅野護謨会社事務員月給七十五円という現在の職業は、十分満足なものであった。自分のような、何処といって取柄のない人間を、大金を出して雇ってくれている雇主は世にも有り難い人であると、彼はいつも心から感謝していた。…
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初出 — 「新青年」博文館、1926(大正15)年5月号

底本: 「新青年」傑作選 幻の探偵雑誌10(光文社文庫、光文社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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