沙羅の花

1話 沙羅の花

152字 約1分 2007年7月19日 公開

読み方を変える
字の大きさ
行の間隔
1行の長さ
書体
配色
組み方

 沙羅木(さらのき)は植物園にもあるべし。わが見しは或人の庭なりけり。玉の如き花のにほへるもとには太湖石(たいこせき)と呼べる石もありしを、今はた如何(いか)になりはてけむ、わが知れる人さへ風のたよりにただありとのみ聞えつつ。

また立ちかへる水無月(みなづき)

歎きをたれにかたるべき。

沙羅(さら)のみづ()に花さけば、

かなしき人の目ぞ見ゆる。

(大正十四年五月)

目次に戻る

感想を書く

目次