おばけの正体

79話 おばけの正体 第七九項 古榎の怪光

245字 約1分 2016年6月5日 公開

読み方を変える
字の大きさ
行の間隔
1行の長さ
書体
配色
組み方

 京都の相国寺境内は、昔は大(やぶ)であったが、今は開墾せられて学校の敷地などになっている。三、四年前、その境内に怪物出現すとの(うわさ)付近に高くなり、これを見届けんとて探検に出かけたものの話には、(てのひら)の大きさくらいの怪しき光を放つ、数個の眼球を有する怪物を見定めたりとの評判である。この近傍に住する教育家が、文明の今日、怪物などとは片腹痛しとてこれが調査に出かけしに、果たせるかな、お化けにあらず、(えのき)の古株の多年地中にうずもれしが、このごろ掘り出だされしために、燐光(りんこう)を放ちしものなることが判明せりとぞ。

目次に戻る

目次