男ごゝろ

永井 荷風 完結 全1話 6,150字 約12分 2010年1月15日 更新

大方帳場の柱に掛けてある古時計であらう。間の抜けた力のない音でボンボンと鳴り出すのを聞きつけ、友田は寐てゐる夜具の中から手を伸して枕元の懐中時計を引寄せながら、 「民子さん。あれア九時でせう。まだいゝんですか。」と抱寐した女の横顔に頤を載せた。 「あら。もうそんな時間。」と言つた…
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底本: 日本の名随筆 別巻83 男心(作品社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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