3話 三 感忠銘
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高坂孝一郎氏に案内せられて、往いて感忠銘を觀る。幅九尺、高さ二丈五尺、所謂磨崖碑也。我國に碑多けれども、山壁を碑となせるは他に類を見ず。これ結城の遺臣内山氏の義擧に成れるものにて、感忠銘の三字は樂翁公の書する所。文は其の儒臣廣瀬蒙齋の撰に係る。内山氏の子孫今も碑下に住めり。碑の傍ら、地細長く開けて阿武隈川に俯し、白河の市街を隔てて旭嶽を仰ぐ。搦山の名にても知らるゝ如く、こゝは結城氏の城の搦手也。追手は山の南麓にありしなるべし。結城祐廣の築く所にて、其の子宗廣も之に據りたりき。義良親王、北畠顯家、同顯信も之に據りしことありき。宗廣は南朝に生死せり。次男の親光も父と行動を共にせり。長男の親朝は北朝に屬して、其の家を有てり。而して小峰城に移れり。即ち今の白河城址これ也。