世之助の話

3話

385字 約1分 1998年10月11日 公開

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世之助 まづざつと、こんなものだつた。そこで、それ以来、その女のやうなものを関係した中へ勘定したから、合せて男女(なんによ)四干四百六十七人に戯れた事になると云ふ次第さ。

友だち 成程、さう聞けば尤もらしい。だが……

世之助 だが、何だい。

友だち だが、物騒(ぶつさう)な話ぢやないか。さうなると、女房や娘はうつかり外へも出されない訳だからね。

世之助 物騒でも、それがほんたうなのだから、仕方がない。

友だち して見ると、今にお上から、男女同席御法度(なんによどうせきごはつと)御布令(おふれ)でも出かねなからう。

世之助 この頃のやうぢや、その中に出るかも知れないね。が、出る時分には、私はもう女護(によご)(しま)へ行つてゐる。

友だち (うらやま)せるぜ。

世之助 なに女護ヶ島へ行つたつて、ここにゐたつて、大してかはりはしない。

友だち 今の算盤(そろばん)のとり方にすれば、さうだらう。

世之助 どうせ何でも泡沫夢幻(はうまつむげん)だからね。さあ改めて、加賀節でも承らう。

(大正六年四月)

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