トシオの見たもの

7話

996字 約2分 2023年2月18日 公開

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 神様は、赤い小鳥の話を聞いて、にこやかに、おうなずきになりました。

「神様。私もまた、不思議と赤い小鳥さんの様な、順序をとおって同じ時に、茲へかえり着きました。ただ、火の熱さと、水の冷たさに堪えられなかった相違だけで」

 と、青い小鳥が云いました。

「私とて同じこと、どこまで行っても真白でふわふわと、(たよ)()い白雲のなかに、眼も体もやすめようとする所もなく、疲れはてて仕舞った時、ひとりでに私の首が下を向き、(つばさ)をやすめるに屈竟(くっきょう)な黒く落ち付いた土の底が、はっきり見えましたので、急いで茲まで降りて参りました。すると、(どこまで掘っても土は真っ黒。あやうく息もつまり相で)とあえぎあえぎ昇って来た、黒い小鳥さんに逢いました」

「そうして、皆が一所にこうして、(そろ)ったのでございます」

 と四つの小鳥は、くちばしを揃えて、最後に神様に申し上げました。

「よく分った。では、どうだろう。(せっ)かく皆で仲よくなったのだから、もう、どの小鳥も、どこへも行かずに、四つの小鳥の、四つの特色を交ぜて、何か一つの合作をやっては」

「まったく私たちは、一つの色ばかりが、尊いと思われなくなりました。皆の色を調和させて、何を作ったら宜しいでしょう」

 と四つの小鳥達は、しばらく考えて居りましたが、

「神様。私たちは、あなたの形に似たものが、作って見度くなりました。許し下さいましょうか」

 と四つの小鳥はまた一度に、申しました。

「皆、よく気が揃うたなあ。宜しい、では早速はじめることにするがよい。私はそれに、人間という名をつけてやろう」

 神様はまた

「先ず赤い小鳥よ。お前は人間の何になる」

 とお尋ねになりました。

「私は人間の、愛に燃える唇と、誠を一ぱい盛った心臓になります」

 と赤い小鳥は答えました。

「白い小鳥は何になる」

 と神様が仰しゃいますと、

「行儀よく揃った歯と、健康な骨に」

 と白い小鳥は云いました。

「黒い小鳥は何になる」

「はい私は、希望に光る黒髪と、しっかりした、足の力になりましょう」

「青い小鳥は?」

「神様。私は、青く澄んだ青い瞳と、広い額の蔭にかくれた、(ゆたか)な智慧になりましょう」

 これを聞いて神様は、さも満足気に、ぽんと手をお()ちになりました。

「みんな誠によい思い付きだ。だが人間も、たったひとりつくられたのでは、生きて行くのに淋しかろうから」

 と(おっし)ゃって神様は、そこへ、二つの大きな(つぼ)と小さい壺とを、お出しになりました。

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