痴日

牧野 信一 完結 全2話 1.4万字 約28分 2002年11月26日 更新

一 頭の惡いときには、むしろ極めて難解な文字ばかりが羅列された古典的な哲學書の上に眼を曝すに如くはない――隱岐はいつも左う胸一杯に力んで、決して自分の部屋から外へ現れなかつた。活字の細いレクラム本に吸ひつくやうに覆ひ被さつたまゝ、終日机から離れなかつた。だが、やがて運ばれる晩飯を…
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初出 — 「經濟往來」1935(昭和10)年2月号

底本: 「鬼涙村」復刻版(沖積舎) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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