3話 第一、周遊の目的および太平洋紀行の部 第三、政教すなわち哲学なり
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人あり、政教子に問うて曰く、君は哲学をもって自ら任ずるものにあらずや。しかるに今、政教に関するはなんぞや。政教子曰く、政教すなわち哲学なり。哲学に理論哲学あり、実際哲学あり、政教は実際哲学に属す。理論哲学の目的は真理を発見するにあるをもって、人外に道を講究せざるべからず。実際哲学の目的は実益を興起するにあるをもって、人中に道を応用せざるべからず。すなわち、理論上発見するところのもの、これを応用しては実際となり、実際上応用するところのもの、これを論究しては理論となる。形而上哲学、心理学等は理論哲学なり、宗教学、教育学等は実際哲学なり。この二者互いに相まちて、互いに相全きことを得るなり。しかして、世の勢いと国の情はときどき同じからざるをもって、二者を研究するに先後、軽重の次第なきあたわず、理論を先とすることあり、実際を重しとすることあり。今わが国の事情は、実際を重しとせざるべからず。これ、余が実際哲学すなわち政教学を講ずるゆえんなり。