欧米各国 政教日記

46話 第二、米国ならびに大西洋紀行の部 第四六、教育の種類

679字 約1分 2012年10月21日 公開

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 政教子曰く、従来日本人の教育に与うるところの解釈全く誤れり。そのいわゆる教育は、学校の教育に過ぎず。しかれども、学校の教育は教育中の小部分にして、そのほかに種々の教育あり。まず、教育を分かちて間接教育と直接教育となす。間接教育は、人の初めて母の胎内に宿りて以来出産のときまで、胎中にありて受くるところの教育をいう。世のいわゆる胎教これなり。胎教は母の体を経て間接に受くるところの教育なれば、これを間接教育という。すでに出産して、ただちに外界の現象に接し受くるところの教育は直接教育なり。これに天然の教育あり、人為の教育あり、装飾の教育、地位の教育、名称の教育等、枚挙するにいとまあらず。

 装飾の教育とは、例えば室内の装飾に勧善懲悪に関する書画彫刻を用うるときは、知らず識らずの間にこれを見るものを教育して、善良の人とならしむるがごときこれなり。地位の教育とは、世のいわゆる孟母三遷の教育その一例なり。名称の教育とは、これに普通名称教育と特有名称教育の二種あり。特有名称教育とは、父母その子に虎吉とか竜五郎とかいえる実名を与うるときは、その子自然に勇猛活発の人となり、直吉とか順二郎とかいえる実名を与うるときは、その子自然に柔順正直の人となるの類をいう。普通名称教育とは、苗字、村名、州名等、普通名称の人を教育するの力あるをいう。例えば、国名を日本と称するときは、その人民をして旭日の昇るがごとく進取の気風を生ぜしめ、艦名を金剛と称するときは、その水兵をして勇健の気風を養わしむるの類これなり。ゆえに、人もし名称を設けんとするときは、良名を選ぶこと必要なり。

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