雨の玉川心中 01 太宰治との愛と死のノート

11話 五月十九日

322字 約1分 2017年6月19日 公開

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 愛して、しまいました。先生を愛してしまいました。

 どうしたら、よろしいのでございましょうか。お逢いできない日は不幸せでございます。御病気でも、なんにもできない私は、悲しゅうございます。先生に、お逢いしたいばっかりに、町を歩き、店を覗いて帰る。女なる身が悲しゅうございます。

 六月に先生が死ぬということに首を賭けた女の人がおありになったとか。先生が、私より先に亡くなられるということなど、信じたくも、ございません。いいえ、そんな馬鹿げたことが、どうして信じられましょう。

 病と闘いながら、奥様の御看護をうけられながら、あなたは、ふと、私のことを思い浮かべて下さるときがあるでしょうか。今日でもう二日にもなります。明日はお逢いできるのでしょうか。

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