雨の玉川心中 01 太宰治との愛と死のノート

48話 十一月二十三日

384字 約1分 2017年6月19日 公開

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 斜陽のひとのお手紙に No をつける。信じて私に持たせておいて下さるお心はうれしい。

「さっちゃんの角が出るよ」と御冗談。

「五、六本生やそうかな」と読み出す。

「別に角も出ませんわ」

「カッコの中読んだ?」

「私生児とその母……こういうことは、今の女のひとには随分多い考え方だと思うわ。わたしだってそう思っているし、この斜陽が結局そういう人達の代弁になっているんじゃあない」

 斜陽を御執筆のころ、わたしに良く似た考えの女のひともあるものだと思っていた。――よなかの二時。

“美しいもの”

 古田さんが、何日(いつ)か、酔い寝しながら、ブツブツと、

 「僕がこんなに太宰のことを思っているのに、太宰は僕のことを思ってくれない」と。

 修ちゃんと、伊馬さんと、お二人の会話。

 いいお友達ね、羨やましかった。――太陽の如くいけ――って。

 ひとに知られずに播いた一つの種の成長を眺めることの美しさ。

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