4話 南北の感情的衝突
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その結果はどうであるかというに、やはり南北両人種の感情の衝突は容易に解けない。彼等は互いに勢力を扶植しようとして、党を造り派を立て、相対峙して下がらぬ。彼等が第一次革命の旗幟とした憲法の制定、国民議会の召集にすら、各自に異を樹てて何時定まるとも果しが着かない。幸いにして列国は戦争に忙しく、日本は彼等の健全なる発展を冀うが故に彼等の内政に干与する事を好まず、永い目でこれを看ている。けれどもこれが果して何時まで続くことであろうか。これが更に永く続くとすれば、列国講を収めて捲土重来、周囲の高度の文明の圧迫は弥が上に力を増して来るであろう。あるいは支那の独立は望んで得べからず、ついに不幸なる最後を見ぬとも限らない。上下四千年の歴史を有する大国家もここに滅亡するかも知れぬ。従来、満州なり蒙古なりから入って帝位を継承したとは異った有様を現出して、その国土は地理的には残っても、民として滅ぶる。これでこそ真の亡国の民となるのだ。ここに於て世界の比類のない歴史を有する偉大なる支那は、今や危急存亡の秋に際会しているんである。これ我輩が年来の友人として一意専心、支那の国情民俗を研究すること十数年、支那上下の有志者に注意して措かざりしゆえんである。