芥川賞の季節になるといつも太宰治を思ひ出す。彼が執念深く賞を貰ひたがつたのが忘れられないからである。事のてんまつは一度書いた事もある。当時それをバクロ小説か何かのやうに読んだ人もあつた模様であつたので久しく打捨てて作品集にも入れなかつたが、この間「文芸」に再録されたのを久しぶりに…
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初出 — 「現代日本文学全集 第四九巻附録 月報第一七号」筑摩書房、1954(昭和29)年9月5日
底本: 定本 佐藤春夫全集 第24巻(臨川書店)
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