ノベリズ
『春と修羅』
207字 約1分 2000年10月4日 公開
ひとかけづつきれいにひかりながら
そらから雪はしづんでくる
電(でん)しんばしらの影の藍(インデイゴ)や
ぎらぎらの丘の照りかへし
あすこの農夫の合羽(かつぱ)のはじが
どこかの風に鋭く截りとられて来たことは
一千八百十年代(だい)の
佐野喜の木版に相当する
野はらのはてはシベリヤの天末(まつ)
土耳古玉製玲瓏(ぎよくせいれいろう)のつぎ目も光り
(お日さまは
そらの遠くで白い火を
どしどしお焚きなさいます)
笹の雪が
燃え落ちる 燃え落ちる
(一九二二、一、一二)
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