母子叙情

岡本 かの子 完結 全10話 7.7万字 約2時間35分 2001年5月7日 更新

かの女は、一足さきに玄関まえの庭に出て、主人逸作の出て来るのを待ち受けていた。 夕食ごろから静まりかけていた春のならいの激しい風は、もうぴったり納まって、ところどころ屑や葉を吹き溜めた箇所だけに、狼藉の痕を残している。十坪程の表庭の草木は、硝子箱の中の標本のように、くっきり茎目立…
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初出 — 「文学界」1937(昭和12)年3月号

底本: 昭和文学全集 第5巻(小学館) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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