或日の大石内蔵助

芥川 竜之介 完結 全2話 8,830字 約18分 1997年11月17日 更新

立てきった障子にはうららかな日の光がさして、嵯峨たる老木の梅の影が、何間かの明みを、右の端から左の端まで画の如く鮮に領している。元浅野内匠頭家来、当時細川家に御預り中の大石内蔵助良雄は、その障子を後にして、端然と膝を重ねたまま、さっきから書見に余念がない。書物は恐らく、細川家の家…
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初出 — 「中央公論」1917(大正6)年9月

底本: 芥川龍之介全集2(ちくま文庫、筑摩書房) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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