火山の話

2話 二、火山のあらまし(1)

4,061字 約8分 2012年4月14日 公開

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 わが日本(につぽん)には火山(かざん)(めづら)しくないから、他國(たこく)(おい)ても一兩日(いちりようじつ)行程内(こうていない)火山(かざん)のない(ところ)はあるまいなどと(おも)はれるかも()れないが、實際(じつさい)はさういふ(ふう)になつてゐない。(たと)へば現在(げんざい)活動中(かつどうちゆう)火山(かざん)南北(なんぼく)アメリカ(しゆう)では西(にし)(ほう)太平洋沿岸(たいへいようえんがん)だけに一列(いちれつ)(なら)んでをり、中部(ちゆうぶ)アメリカ地方(ちほう)では二條(にじよう)になつて(みぎ)南北線(なんぼくせん)につながつてゐる。大體(だいたい)太平洋沿岸地方(たいへいようえんがんちほう)火山(かざん)(れつ)(もつ)連絡(れんらく)()つてゐるので、わが(くに)火山列(かざんれつ)も、千島(ちしま)、アレウト群島(ぐんとう)()てアメリカの火山列(かざんれつ)につながつてゐるのである。その()歐洲(おうしゆう)にはイタリーに四箇(しこ)、ギリシヤに一箇(いつこ)有名(ゆうめい)活火山(かつかざん)があり、その(ほか)にはイスランドに數箇(すうこ)あるきりで、北米(ほくべい)東部(とうぶ)(あるひ)歐洲(おうしゆう)北部(ほくぶ)にゐる(ひと)には、火山現象(かざんげんしよう)目撃(もくげき)することが容易(ようい)でない。太平洋(たいへいよう)中央部(ちゆうおうぶ)(とく)にハワイ(とう)にはキラウエアといふ有名(ゆうめい)活火山(かつかざん)があるが、活火山(かつかざん)(もつと)豐富(ほうふ)場所(ばしよ)はジャワ(とう)である。こゝには活火山(かつかざん)だけの(すう)四十箇(しじつこ)(かぞ)へられるといはれてゐる。わが(くに)活火山(かつかざん)には()なり()んでゐるけれども、ジャワには(およ)ぶべくもない。

 (こゝろ)みに世界(せかい)(おい)()ある活火山(かつかざん)()げてみるならば、南米(なんべい)エクワドル(こく)(おけ)るコトパクシ((たか)五千九百四十三米(ごせんくひやくしじゆうさんめーとる))は、圓錐形(えんすいけい)偉大(いだい)(やま)であるが、噴火(ふんか)勢力(せいりよく)(また)偉大(いだい)で、鎔岩(ようがん)破片(はへん)六里(ろくり)遠距離(えんきより)()()ばしたといふ、この(てん)(つい)ての記録保持者(きろくほじしや)である。(また)その噴火(ふんか)頻々(ひんぴん)(てん)(おい)ても有名(ゆうめい)である。

 西(にし)インドの(しよう)アンチル群島中(ぐんとうちゆう)にあるマルチニック(とう)火山(かざん)プレー((たか)千三百五十米(せんさんびやくごじゆうめーとる))は、その西暦(せいれき)千九百二年(せんくひやくにねん)五月八日(ごがつやうか)噴火(ふんか)(おい)て、赤熱(せきねつ)した噴出物(ふんしゆつぶつ)(もつ)山麓(さんろく)にある小都會(しようとかい)サンピール()(おそ)ひ、二萬六千(にまんろくせん)人口中(じんこうちゆう)地下室(ちかしつ)監禁(かんきん)されてゐた一名(いちめい)囚徒(しゆうと)(のぞ)(ほか)(こぞ)つて死滅(しめつ)したことに(おい)有名(ゆうめい)である。ヴェスヴィオ噴火(ふんか)によるポムペイ全滅(ぜんめつ)慘事(さんじ)(まさ)るとも(おと)ることなきほどの出來事(できごと)であつた。この(とき)噴火口内(ふんかこうない)出現(しゆつげん)した(たか)二百米(にひやくめーとる)鎔岩塔(ようがんとう)(めづら)しいものであつたが、それは噴火(ふんか)末期(まつき)(おい)次第(しだい)崩壞(ほうかい)消失(しようしつ)してしまつた。

 ハワイのキラウエア火山(かざん)(たか)千二百三十五米(せんにひやくさんじゆうごめーとる))は、ハワイ(とう)主峯(しゆほう)マウナ・ロア火山(かざん)側面(そくめん)寄生(きせい)してゐるものであるが、通常(つうじよう)場合(ばあひ)、その噴火口(ふんかこう)鎔岩(ようがん)()たし、しかもこの鎔岩(ようがん)流動(りゆうどう)して種々(しゆ/″\)奇觀(きかん)(てい)するので、觀光客(かんこうきやく)()えずひきつけてゐる。火山毛(かざんもう)はその産物(さんぶつ)として(もつと)有名(ゆうめい)である。山上(さんじよう)有名(ゆうめい)火山觀測所(かざんかんそくじよ)がある。(また)觀光客(かんこうきやく)のために(ひら)いた旅館(りよかん)もあり、ハワイ(とう)船着場(ふなつきば)ヒロからこゝまで四里(より)(あひだ)自動車(じどうしや)にて面白(おもしろ)旅行(りよこう)出來(でき)る。

キラウヱア火山

 マウナ・ロアは四千百九十四米(しせんひやくくじゆうしめーとる)(たか)さを()つてをり、わが(くに)富士山(ふじさん)よりも四百米以上(しひやくめーとるいじよう)(たか)いから、讀者(どくしや)はその山容(さんよう)として富士形(ふじがた)圓錐形(えんすいけい)想像(そう/″\)せられるであらうが、(じつ)()にあらず、(むし)正月(しようがつ)御備餅(おそなへもち)(ちか)(かたち)をしてゐる。(あるひ)饅頭形(まんじゆうがた)とでも()づくべきであらうか。山側(さんそく)傾斜(けいしや)(わづか)六度(ろくど)乃至(ないし)八度(はちど)()ぎない。これはその山體(さんたい)(つく)つてゐる岩石(がんせき)玄武岩(げんぶがん))の性質(せいしつ)()るものであつて、その()けてゐる(さい)比較的(ひかくてき)流動(りゆうどう)(やす)いからである。昭和二年(しようわにねん)大噴火(だいふんか)をなしたときも噴火口(ふんかこう)から(なが)()鎔岩(ようがん)が、(あだか)溪水(たにみづ)(なが)れのように一瀉千里(いつしやせんり)(いきほひ)(もつ)()(くだ)つたのである。(もつと)山麓(さんろく)(ちか)づくに(したが)ひ、温度(おんど)(くだ)(つひ)には暗黒(あんこく)固體(こたい)となつて(はや)さも(にぶ)つたけれども。

火山毛(キラウヱア火山)

 スマトラとジャワとの(あひだ)、スンダ海峽(かいきよう)にクラカトアといふ直徑(ちよつけい)二里程(にりほど)小島(こじま)があつた。これが西暦(せいれき)千八百八十三年(せんはつぴやくはちじゆうさんねん)大爆裂(だいばくれつ)をなして、(しま)大半(たいはん)()()ばし、(あと)には(たか)(わづか)八百十六米(はつぴやくじゆうろくめーとる)小火山島(しようかざんとう)(のこ)したのみである。この(とき)(おこ)つた大氣(たいき)波動(はどう)世界(せかい)三週半(さんしゆうはん)する(まで)追跡(ついせき)()られ、海水(かいすい)動搖(どうよう)津浪(つなみ)として全地球上(ぜんちきゆうじよう)(ほと)んど(いた)(ところ)觀測(かんそく)せられた。また大氣中(たいきちゆう)混入(こんにゆう)した灰塵(かいじん)太陽(たいよう)赤色(せきしよく)()せること數週間(すうしゆうかん)(およ)んだ。(じつ)著者(ちよしや)(ごと)きも日本(につぽん)(おい)てこの現象(げんしよう)目撃(もくげき)した一人(ひとり)である。

マウナ・ロア(ハワイ島)

 ジャワ(とう)のパパンダヤング火山(かざん)西暦(せいれき)千七百七十二年(せんしちひやくしちじゆうにねん)噴火(ふんか)(おい)て、(わづか)一夜(いちや)(あひだ)二千七百米(にせんしちひやくめーとる)(たか)さから千五百米(せんごひやくめーとる)(げん)じ、()()ばしたものによつて四十箇村(しじつかそん)埋沒(まいぼつ)したといふ。(おそ)らくはこれが有史以來(ゆうしいらい)(もつと)激烈(げきれつ)噴火(ふんか)であつたらう。

 イタリーで(もつと)著名(ちよめい)火山(かざん)はヴェスヴィオ((たか)千二百二十三米(せんにひやくにじゆうさんめーとる))であるが、これが世界的(せかいてき)にもまた著名(ちよめい)であるのは、西暦(せいれき)紀元七十九年(きげんしちじゆうくねん)大噴火(だいふんか)(おい)て、ポムペイ()降灰(こうはい)にて埋沒(まいぼつ)したこと、有名(ゆうめい)大都市(だいとし)ナポリに接近(せつきん)してゐるため見學(けんがく)便利(べんり)なこと、(およ)三十年位(さんじゆうねんくらゐ)にて活動(かつどう)一循環(いちじゆんかん)をなし、噴火現象(ふんかげんしよう)多種多樣(たしゆたよう)にて研究材料(けんきゆうざいりよう)豐富(ほうふ)なること、登山鐵道(とざんてつどう)火山觀測所(かざんかんそくじよ)旅館(りよかん)設備(せつび)完全(かんぜん)せる(とう)()るものである。著者(ちよしや)七年前(しちねんぜん)()たときは、つぎの大噴火(だいふんか)は、(あるひ)十年(じゆうねん)以内(いない)ならんかとの意見(いけん)(おほ)かつたが、この(とし)九月三十日(くがつさんじゆうにち)()たときは、大噴火(だいふんか)時機(じき)切迫(せつぱく)してゐるように(おも)はれた。(あるひ)數年内(すうねんない)大爆發(だいばくはつ)をなすことがないとも(かぎ)らぬ。

 イタリーの地形(ちけい)長靴(ながぐつ)のようだとよくいはれてゐることであるが、その爪先(つまさき)(いし)ころのようにシシリー(とう)(よこ)たはつてをり、爪先(つまさき)から(すな)蹴飛(けと)ばしたようにリパリ火山群島(かざんぐんとう)がある。其中(そのうち)活火山(かつかざん)はストロムボリ((たか)九百二十六米(くひやくにじゆうろくめーとる))とヴルカーノ((たか)四百九十九米(しひやくくじゆうくめーとる))との二箇(にこ)であるが、前者(ぜんしや)有史以來(ゆうしいらい)()一日(いちにち)活動(かつどう)休止(きゆうし)したことがないといふので有名(ゆうめい)であり、後者(こうしや)(まへ)にも(しる)した(とほ)り、火山(かざん)なる外國語(がいこくご)起原(きげん)となつたくらゐである。この(ほか)イタリーにはシシリー(とう)にエトナ火山(かざん)(たか)三千二百七十四米(さんぜんにひやくしちじゆうしめーとる))があり、以上(いじよう)イタリーの四火山(しかざん)、いづれもわが日本郵船會社(につぽんゆうせんかいしや)航路(こうろ)(あた)つてゐるので、甲板上(かんぱんじよう)から望見(ぼうけん)するには(すこぶ)好都合(こうつごう)である。もし往航(おうこう)ならば()左舷(さげん)彼方(かなた)にエトナが(たか)屹立(きつりつ)してゐるのを()るべく、六七合目以上(ろくしちごうめいじよう)無疵(むきづ)圓錐形(えんすいけい)をしてゐるので富士(ふじ)(おも)()すくらゐであるが、それ以下(いか)には二百以上(にひやくいじよう)寄生火山(きせいかざん)簇立(ぞくりつ)してゐるので鋸齒状(きよしじよう)輪廊(りんかく)()られる。この(やま)平均(へいきん)十年毎(じゆうねんごと)一回(いつかい)ぐらゐ爆發(ばくはつ)し、山側(さんそく)(しよう)ずる()()彼方此方(かなたこなた)中心(ちゆうしん)として鎔岩(ようがん)(なが)し、(あるひ)噴出物(ふんしゆつぶつ)によつて小圓錐形(しようえんすいけい)寄生火山(きせいかざん)形作(かたちづく)るなどする、つぎに郵船(ゆうせん)がメシナ海峽(かいきよう)通過(つうか)すると、(はる)左舷(さげん)鋸山式(のこぎりやましき)のヴルカーノが()える。(さら)(すゝ)むと航海者(こうかいしや)には地中海(ちちゆうかい)燈臺(とうだい)()ばれ、漁獵者(ぎよりようしや)には(しま)晴雨計(せいうけい)()づけられてゐるストロムボリが()える。この火山島(かざんとう)直徑(ちよつけい)(わづか)三粁(さんきろめーとる)小圓錐(しようえんすい)であつて、その北側(きたがは)人口(じんこう)二千五百(にせんごひやく)(まち)があり、北西(ほくせい)八合目(はちごうめ)噴火口(ふんかこう)がある。火孔(かこう)三箇(さんこ)竝立(へいりつ)して鎔岩(ようがん)(たゝ)へ、數分間(すうふんかん)おきに(これ)()()ばしてゐる。もしそこを通過(つうか)するのが(よる)であるならば、()()ばされた赤熱鎔岩(せきねつようがん)斜面(しやめん)(なが)(くだ)つて、(あるひ)途中(とちゆう)()まり、(あるひ)海中(かいちゆう)まで進入(しんにゆう)するのが()られるが、日中(につちゆう)ならば斜面(しやめん)流下(りゆうか)する鎔岩(ようがん)水蒸氣(すいじようき)()()くので、これによつてそれと()づかれるのみである。この火山(かざん)噴出時(ふんしゆつじ)()ける閃光(せんこう)(とほ)百海里(ひやくかいり)()らすので、そこでストロムボリが地中海(ちちゆうかい)燈臺(とうだい)()ばれる所以(ゆえん)である。かくてこれ()展望(てんぼう)をほしいまゝにしたわが郵船(ゆうせん)はナポリ(こう)到着(とうちやく)し、ヴェスヴィオを十分(じゆうぶん)見學(けんがく)()機會(きかい)(とら)へられるのである。()頂上(ちようじよう)から()えず()()蒸氣(じようき)火山灰(かざんばひ)によつて()ぐにそれがヴェスヴィオなることが()づかれるが、それと同時(どうじ)今一(いまひと)左方(さほう)竝立(へいりつ)して()える(とが)つた(やま)見落(みおと)してはならぬ。山名(さんめい)はソムマといはれてゐるが、これがソムマ(すなは)外輪山(がいりんざん)といふ外國語(がいこくご)(おこ)りである。地圖(ちず)()るソムマはヴェスヴィオを(なか)抱擁(ほうよう)した(かたち)をしてゐる。(すなは)不完全(ふかんぜん)外輪山(がいりんざん)であつて、もしそれが完全(かんぜん)ならば中央(ちゆうおう)にある圓錐状(えんすいじよう)火山(かざん)全部(ぜんぶ)抱擁(ほうよう)する(かたち)になるのである。ヴェスヴィオは西暦(せいれき)七十九年(しちじゆうくねん)大噴火前(だいふんかぜん)までは、このソムマの外側(そとがは)()(のば)したほどの一箇(いつこ)偉大(いだい)圓錐状(えんすいじよう)火山(かざん)であつたのが、あのをりの大噴火(だいふんか)のために東南側(とうなんがは)大半(たいはん)()()ばし、その中央(ちゆうおう)現在(げんざい)のヴェスヴィオを中央火口丘(ちゆうおうかこうきゆう)として(のこ)したものと想像(そう/″\)されてゐる。ポムペイの遺跡(いせき)(やま)中央(ちゆうおう)から南東(なんとう)九粁(くきろめーとる)遠距離(えんきより)にあるが、これはその(とき)()りつづいた降灰(こうはひ)によつて全部(ぜんぶ)埋沒(まいぼつ)せられ、その()幾百年(いくひやくねん)(あひだ)その所在地(しよざいち)見失(みうしな)はれてゐたが、西暦(せいれき)千七百四十八年(せんしちひやくしじゆうはちねん)一農夫(いちのうふ)偶然(ぐうぜん)發見(はつけん)により(つひ)今日(こんにち)のように(ほと)んど全部(ぜんぶ)發掘(はつくつ)されることになつたのである。ポムペイの(ほろ)びた原因(げんいん)降灰(こうはひ)にあることは、空中(くうちゆう)から()寫眞(しやしん)でもわかる(とほ)り、各家屋(かくかおく)屋根(やね)全部(ぜんぶ)()けてゐて、四壁(しへき)完備(かんび)してゐることによつてもわかるが、西暦(せいれき)千九百六年(せんくひやくろくねん)大噴火(だいふんか)のとき、(わづか)三十分間(さんじつぷんかん)同方向(どうほうこう)()(つゞ)いた火山灰(かざんばひ)が、(やま)北東(ほくとう)にあるオッタヤーノの(まち)九十糎(くじゆうせんちめーとる)(つも)り、(おほ)くの屋根(やね)()()いて二百二十人(にひやくにじゆうにん)死人(しにん)(しよう)じたことによつても、うなづかれるであらう。かういふ(ふう)家屋被害(かおくひがい)と、放射(ほうしや)された噴出物(ふんしゆつぶつ)によつて破壞(はかい)せられたサンピール市街(しがい)零落(れいらく)とは(いちじる)しい對象(たいしよう)である。もし昨日(きのふ)まで繁昌(はんじよう)したサンピールの舊市街(きゆうしがい)零落(れいらく)した(あと)噴出物流動(ふんしゆつぶつりゆうどう)方向(ほうこう)から(なが)むれば、(のこ)つた(かべ)枯木林(かれきばやし)のように()え、それに直角(ちよつかく)方向(ほうこう)から()ると(かべ)正面整列(しようめんせいれつ)()られたといふ。

ヴェスヴィオ火山の遠景

ヴェスヴィオ火山平面圖

ポムペイ鳥瞰圖

 ヴェスヴィオに登山(とざん)した(ひと)は、通常(つうじよう)火口内(かこうない)には暗黒(あんこく)()える鎔岩(ようがん)平地(へいち)見出(みいだ)すであらう。これは()えず蒸氣(じようき)火山灰(かざんばひ)鎔岩(ようがん)(とう)()()中央(ちゆうおう)小丘(しようきゆう)から(あふ)()たものであつて、かゝる平地(へいち)火口原(かこうげん)()づけ、外輪山(がいりんざん)(たい)する中央(ちゆうおう)火山(かざん)中央火口丘(ちゆうおうかこうきゆう)()づける。わが富士山(ふじさん)(ごと)外輪山(がいりんざん)()たない火山(かざん)單式(たんしき)であるが、ヴェスヴィオの(ごと)外輪山(がいりんざん)(ゆう)するものは複式(ふくしき)である。

 われ/\はこれまで海外(かいがい)著名(ちよめい)火山(かざん)一巡(いちじゆん)して()た。これから國内(こくない)にて有名(ゆうめい)活火山(かつかざん)一巡(いちじゆん)して()たい。

 有史以前(ゆうしいぜん)には噴火(ふんか)した證跡(しようせき)(ゆう)しながら、有史以來(ゆうしいらい)一回(いつかい)噴火(ふんか)したことのない火山(かざん)(かず)はなか/\(おほ)い。箱根山(はこねやま)(ごと)きがその一例(いちれい)である。われ/\はこの(しゆ)火山(かざん)死火山(しかざん)(あるひ)舊火山(きゆうかざん)()づけて、有史以來(ゆうしいらい)噴火(ふんか)した歴史(れきし)()つてゐる活火山(かつかざん)區別(くべつ)してゐる。(たゞ)しわれ/\の歴史(れきし)火山(かざん)壽命(じゆみよう)比較(ひかく)すれば(きは)めて(みじか)時間(じかん)であるから、現在(げんざい)死火山(しかざん)(おも)はれてゐるものも、數百年(すうひやくねん)(あるひ)數千年(すうせんねん)休息状態(きゆうそくじようたい)をつゞけた(のち)突然(とつぜん)活動(かつどう)開始(かいし)するものがないとも(かぎ)らぬ。これは文化(ぶんか)(ひら)けてから(あま)(おほ)くの年數(ねんすう)()ない場所(ばしよ)(たと)へば北海道(ほつかいどう)などの死火山(しかざん)にはあり()べきことである。

日本火山分布

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