火つけ彦七

伊藤 野枝 完結 全6話 1.2万字 約25分 2013年7月23日 更新

今から廿年ばかり前に、北九州の或村はづれに一人の年老つた乞食が、行き倒れてゐました。風雨に曝され垢にまみれたその皮膚は無気味な、ひからびた色をして、肉が落ちてとがり切つた骨を覆ふてゐました。砂ぼこりにまみれたその白髪の蓬々としたひたいの下の奥の方に気味の悪い眼がギヨロリと光つてゐ…
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初出 — 「改造 第三巻第八号」1921(大正10)年7月15日

底本: 定本 伊藤野枝全集 第一巻 創作(學藝書林) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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