30話 四つの都 三〇 国民学校の教室。
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初枝が女生徒に地理を教えている。
黒板に近畿地方の地図が描かれていて、京都、奈良、大阪、神戸の位置をはっきり示している。
初枝「近畿地方には四つの大きな都会があります、知ってる方は手をあげて」
女の子手をあげる「ハイ、ハイ」
初枝「青木さん」
青木(起って)「大阪、神戸、京都、奈良です」
初枝「はい、よろしい。それ/″\府庁、県庁の所在地ですね」
「エイ、オウ」「エイ、オウ」という掛声が窓から入って来る。校庭で薙刀の稽古をしているのである。
初枝「この四つの都会のうち、大阪、神戸は日本の生産力の中心地で……」