四つの都

38話 四つの都 三八 中庭の芝生。

390字 約1分 2013年7月30日 公開

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庄平と節子腰を下している。

庄平「……戦地にいて、一番辛かったのは、野戦病院で昔の友人に会うた時です、友人はその日死にました、遺家族は妹さん一人きりです、あなたも一人ぽっちですが、その妹さんもあなたのように強く生きて下すったら、いゝんですがね、明日は友人の命日なので、是非妹さんを訪ねる積りですが、その人の元気な姿を見届けない内は見合いする気になれないんです。……というのは、僕は一生に一遍しか見合いしない主義でしてね、見合いした以上、必ずその人と結婚すると決めてるんです」

バレーのボールが飛んで来る。庄平拾って投げてやる。

庄平「変な主義ですが、つまり見合いした相手の心を傷つけたくない……」

この時、作業開始のベルが鳴る。

節子元気よく起ち上る。

節子「私、お話伺って、もう何も考えずに働けるような気がしますわ、元気に働きますわ、失礼します、仕事が始まりますから」

節子、頭を下げて去る。

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