四つの都

49話 四つの都 四九 庄平の部屋。

503字 約1分 2013年7月30日 公開

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南方土産の面が壁に。庄平と十吉がいる。庄平滔々と喋っている。江藤に喋ったのと同じ表現である。

庄平「……医者の不養生っていうがね、僕は子供の頃からハシカ以外の病気をした事はない、強いて他に病気だといえば、そゝっかしい位なもんだ、という訳で、つまり僕は健康に育って来た、それだけに弱い子供の事を考えると痛々しくてならない……という事を、マライで原住民の子供を診察している時、ふと感じたのでね、こりゃ一つ内地へ帰ったら、日本の虚弱児童のために大いにその錬成運動……というより、寧ろその実際的……というかつまり……」

十吉、紙を出してノートしかける。

庄平「君、新聞に書いちゃだめだよ、書かないね、そうか、よし、つまり具体的にいって道場とか錬成場とか療養所とか、いや希望的にいえば、この三つを加味したあるものをだね、建設すべく、今計画してるんだが、もう大体目鼻がついてるんだ……」

母親のお寿がお茶をもってはいって来たので、中断される。

お寿(十吉に)「いらっしゃい」

十吉「はあ、お邪魔しています」

お寿(庄平に)「おや、いつまで脚絆をしてるんです」

庄平(足を見て)「あ、しまった、運動会で先生に借りて、返すのを忘れていた」

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