海底大陸

69話 殿下を守る人々

840字 約2分 2013年5月17日 公開

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 ロロー殿下の旅宿(りょしゅく)の問題で、長良川博士は、ドン助教授や三千夫少年に、一体どうするかと相談をした。

「わたしは、やはりロロー殿下のそばにいたいとおもいます」

 と、ドン助教授がきっぱりいえば、

「ぼくも、いっしょにいたいですよ。ロロー殿下に万一のことがあっては心配ですからねえ」

「ああ、それできみたちの気持はよくわかった。ロロー殿下も、それをきいてどんなによろこばれるであろう。ではシムトン会長へ、わたしたちの決意を伝達することにしよう」

 長良川博士は、あとのことをふたりにたのんでおいて、宿泊所の交渉のために、シムトン会長のいる建物へと出かけた。

 生物学会は、同じ大学構内の、青いツタのおいしげった古めかしい煉瓦(れんが)づくりの建物の中にあった。

 シムトン会長をおとずれると、いかめしい使丁(してい)がでてきて、うすぐらい廊下づたいに案内をした。それは大きな広間であって、シムトン会長のほかに、一見、学者だとわかる中年、老年の紳士が集まっていた。かれらは大声でさかんになにごとか論じていたようであったが、長良川博士が室内に姿をあらわすと、ぴたりと話をやめてしまった。

「やあ、長良川博士。なにご用ですな」

 シムトン会長は、上機嫌で近づいた。

「ちょうどいいところだ。わが生物界の権威者が一堂に会しているところなんです。ぜひあなたも傍聴(ぼうちょう)していらっしゃい。あなたが東洋へ帰って論文を書かれるにしても、きっと参考になりますぞ」

 長良川博士は、かるくその厚意(こうい)(しゃ)したうえで、れいの宿泊所問題につき、じぶんたちはロロー殿下とともに起きふしするのがいいと思うから、いっしょに地下室に入れてもらいたいと、その用件をのべた。

「それはよした方がいいのじゃないかなあ。わしはあなたがたに敬意を表し、かつまた、あなたを思っておすすめしているのだが……」

「では、われわれ一行四名はいっしょに地下室に滞在します」

「ああよろしい、それがお望みとあれば。だが、気をつけられたがいいですぞ。――では、あとで三人分のベッドを入れさせましょう」

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