69話 殿下を守る人々
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ロロー殿下の旅宿の問題で、長良川博士は、ドン助教授や三千夫少年に、一体どうするかと相談をした。
「わたしは、やはりロロー殿下のそばにいたいとおもいます」
と、ドン助教授がきっぱりいえば、
「ぼくも、いっしょにいたいですよ。ロロー殿下に万一のことがあっては心配ですからねえ」
「ああ、それできみたちの気持はよくわかった。ロロー殿下も、それをきいてどんなによろこばれるであろう。ではシムトン会長へ、わたしたちの決意を伝達することにしよう」
長良川博士は、あとのことをふたりにたのんでおいて、宿泊所の交渉のために、シムトン会長のいる建物へと出かけた。
生物学会は、同じ大学構内の、青いツタのおいしげった古めかしい煉瓦づくりの建物の中にあった。
シムトン会長をおとずれると、いかめしい使丁がでてきて、うすぐらい廊下づたいに案内をした。それは大きな広間であって、シムトン会長のほかに、一見、学者だとわかる中年、老年の紳士が集まっていた。かれらは大声でさかんになにごとか論じていたようであったが、長良川博士が室内に姿をあらわすと、ぴたりと話をやめてしまった。
「やあ、長良川博士。なにご用ですな」
シムトン会長は、上機嫌で近づいた。
「ちょうどいいところだ。わが生物界の権威者が一堂に会しているところなんです。ぜひあなたも傍聴していらっしゃい。あなたが東洋へ帰って論文を書かれるにしても、きっと参考になりますぞ」
長良川博士は、かるくその厚意を謝したうえで、れいの宿泊所問題につき、じぶんたちはロロー殿下とともに起きふしするのがいいと思うから、いっしょに地下室に入れてもらいたいと、その用件をのべた。
「それはよした方がいいのじゃないかなあ。わしはあなたがたに敬意を表し、かつまた、あなたを思っておすすめしているのだが……」
「では、われわれ一行四名はいっしょに地下室に滞在します」
「ああよろしい、それがお望みとあれば。だが、気をつけられたがいいですぞ。――では、あとで三人分のベッドを入れさせましょう」