われから

樋口 一葉 完結 全6話 2.2万字 約45分 2019年11月23日 更新

一 霜夜ふけたる枕もとに吹くと無き風つま戸の隙より入りて障子の紙のかさこそと音するも哀れに淋しき旦那樣の御留守、寢間の時計の十二を打つまで奧方はいかにするとも睡る事の無くて幾そ度の寢がへり少しは肝の氣味にもなれば、入らぬ浮世のさま/″\より、旦那樣が去歳の今頃は紅葉舘にひたと通ひ…
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初出 — 「文藝倶楽部 第二卷第六編」1896(明治29)年5月10日

底本: 文藝倶楽部 第二卷第六編(博文館) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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