一休さん

17話 十三ねん目

1,166字 約2分 2021年6月25日 公開

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 一休(いっきゅう)さんは いつか 十八さいに なっていました。すると ある()、おしょうさまが 一休(いっきゅう)さんを よんで、

「しゅうけん、おまえも いつの ()にか 十八に なりましたね。」

 と、しんみりと いいました。

「ええ、おかげさまで いつか 十八に なりました。おししょうさまの もとに まいりましたのは、(むっ)つの ときで ございますから、いつの まにか 十三ねん たちました。まるで ゆめの ようです。」

 と、一休(いっきゅう)さんも しんみりしました。おしょうさまは、

「ついては しゅうけん、おまえに おりいって (はな)したいことが あるのだがね。」

「はい、なんでしょうか?」

「じつは ね、しゅうけん、わしは もう おまえに おしえる ことが、なんにも なくなったのだ。わしの もっている がくもんは、みんな のこらず おまえに おしえつくして しまったのじゃ。このうえは たれか わしより えらい かたに おまえを おたのみして、おまえに もっと もっと がくもんを ふかめて もらいたいのじゃ。」

「はい。」

「十三ねんも いっしょに いた おまえと、いまさら わかれるのは わしも つらい ことじゃが、おまえの がくもんの ためには これも いたしかた ないことじゃ。」

「はい。」

「ついては、ここに さいごんじの おしょうに てがみが かいてある。さいごんじの おしょうは てんかに かくれない がくもんの ふかい おしょうじゃ。この てがみをもって、これから すぐ さいごんじに いきなさい。さいごんじの おしょうには もう よく (はな)してある。」

「はい、おししょうさま、ありがとうございます。」

 一休(いっきゅう)さんは その() さっそく さいごんじに いきました。

 さいごんじの おしょうさまは、あんこくじの おしょうさまの そえてがみを みて、一休(いっきゅう)さんを へやに とおすと、

「しゅうけんと いう ()ぞうは おまえか?」

 と、どなりつける ように いいました。

「はい、しゅうけんと もうします。よろしく おねがい いたします。」

「おまえは (たい)へん けんか こうろん、とんちもんどうが すきだそうだが、ほんとか?」

「いや、おしょうさま、わたしは けんかも こうろんも すきでは ありません。」

「なに、すきでない。それじゃあ おんなみたいに よわむしか?」

「でも ありません。」

「では、けんか こうろんは すきじゃろ?」

「ほんとは すきですが、しない ことにして おります。」

 さいごんじの おしょうさまは、じょうひんで きだてのやさしい、まえの あんこくじの おしょうさまとは まるで はんたいで、かみなりの ような (おお)ごえで がみがみいう ひとでした。一休(いっきゅう)さんを じろりと みおろして、

「おまえを でしに するまえに、(ひと)つ きいておこう。」

 と、もんどうを はじめました。

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