一休さん

18話 あたまは 石

761字 約2分 2021年6月25日 公開

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「おまえは いま けんか こうろんは せぬ、と いったな。」

「はい、もうしました。」

「では、ひとに つばや たんを はきかけられても、けんかを せぬか。」

「はい、おしぬぐって じっと だまり、おこらない しゅぎょうを したいと おもいます。」

「ほう、それでよい。それが おまえに、ほんとうに できるか?」

「はい、できます。できる ように しゅぎょう いたします。」

「そうだ。こちらが ただしいのに、つばや たんを はきかける ような やつは、いわば、ハエみたいなものじゃ。にんげんでは ない。そんな やつを あいてに けんか こうろん すれば、こちらが ばかに なる。」

「はい。」

「では、あいてが ぽかりと あたまを なぐって きたら、どうする。」

「がまん します。」

「いや、ただ がまんする だけでは いけない。そんな やつには、いくらでも なぐらせて やるがいい。わけの わからん やつがなぐった ときは、じぶんの あたまを あたまと おもうな。(いし)だと おもえ。」

(いし)だと おもうのですか?」

 一休(いっきゅう)さんは、にがい くすりを のんだような かおをしました。

「そうじゃ。わしの あたまは (いし)じゃ。おまえの ()は さぞ いたかったろうと あいてを ながめ、あいてを あわれんで やるのじゃ。」

「はい。」

 こんどの さいごんじの おしょうさまは、こんなふうに てっていした こころを もっており、そのころ がくもんも おこないも、天下(てんか)一だと いわれていた えらい ぼうさんでした。おしょうさまは、

「おまえは なかなか できている。どうじゃ、わしの ところで しんぼう できそうか。」

「いたします。」

「それでは 今日(きょう)から そうじゅん と 名前(なまえ)を かえろ。」

 一休(いっきゅう)さんは こうして、その()から さいごんじの ()ぞうに なりました。

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