一休さん

19話 米がない

1,307字 約3分 2021年6月25日 公開

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「そうじゅん、さっそくだが でしいりと きまったら、めしを たいて もらおう。」

 でしいりが きまると、おしょうさまは さっそく しごとを いいつけました。

「はい。こめびつは どこに ありますか?」

「だいどころに ある はずじゃ。」

 だいどころに いって みると、こめびつは あるが、こめびつの なかには おこめが (ひと)つぶも ありません。

「おしょうさま、おこめが ありません。」

「ないなら、どこからか さがして こい。」

 (たい)へんな ことに なったものです。

 こんどの おしょうさまは がくもんや、がくもんを かんがえる じかんが おしくて、たくはつに でて、おこめを もらうのも わすれて いるのでした。三日(みっか)も、四日(よっか)も ごはんを たべないで、じっと がくもんを して いることが ありました。

 今日(きょう)も あさから なんにも たべないで、みずばかり のんで いたのです。

 そのときは 一休(いっきゅう)さんが すぐ きんじょの いえに いって、おこめを もらって、おしょうさまに ごはんを たいて あげましたが、そんな ぐあい ですから、がくもんでは (きょう)のみやこで いちばんだ と いわれる さいごんじの おしょうさまも ころもは ぼろぼろ、みちを あるくときは みぞの わきで ひろった (たけ)のぼうを つえに ついて あるくので、みちで あそんでいる ()どもたちは、

「やーい、こじきぼうず。」と、はやしたてる ほどでした。

 おてらの なかも ぼろぼろ――それでも、おしょうさまの おへやには (ほん)が (やま)のように つまれて いました。

 つぎの()、おしょうさまは、一休(いっきゅう)さんを へやに つれていって、

「そうじゅん、これを よめ。」

 と、かべに はってある かみを ゆびさしました。

 そこには むそうこくし と いう えらい ぼうさんのかいた、ぼうさんの わけかたが はって ありました。

(じょう)とうの ぼうず――もうれつに しゅぎょうして、ほんとうの ぼうずの みちに たっした ぼうず。

(ちゅう)とうの ぼうず――しゅぎょうが ふつうで、ものわかりの いい ぼうず。

()とうの ぼうず――おてらの しきたりだけを まもって いる ぼうず。

 この ()とうの ぼうずが (ふた)つに わかれて いました。

一、(ほん)は たくさん よんでも、うたなどばかり つくって ほとけの おしえを わすれた ぼうず。これは あたまを そった ただの(ひと)

二、ごちそうばかり ほしがって、かってなことを しているぼうず。

「せけんには ()とうの二の ぼうず ばかり おおいですね、おしょうさま。」

 それを よんで 一休(いっきゅう)さんが いいました。

「そうだよ。十にんの うちの 八にんまでは ()とうの 二だ。」

「あんこくじの おしょうさまは どのくらいでしょう。」

 あんこくじは まえの おてらです。

「そうだね。まず、(ちゅう)とう かね。」

「よしみつ(こう)は ()とうの 二ですね。」

「まだ、()とうの 二にも いかないよ。」

「おしょうさまは どのくらい ですか?」

「おれか。おれは (じょう)とうに はいりかけて いる ところだ。おまえも ぼうずに なったからには、(じょう)とうの(じょう)に ならなくては いけないよ。」

「はい!」

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