19話 米がない
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「そうじゅん、さっそくだが でしいりと きまったら、めしを たいて もらおう。」
でしいりが きまると、おしょうさまは さっそく しごとを いいつけました。
「はい。こめびつは どこに ありますか?」
「だいどころに ある はずじゃ。」
だいどころに いって みると、こめびつは あるが、こめびつの なかには おこめが 一つぶも ありません。
「おしょうさま、おこめが ありません。」
「ないなら、どこからか さがして こい。」
大へんな ことに なったものです。
こんどの おしょうさまは がくもんや、がくもんを かんがえる じかんが おしくて、たくはつに でて、おこめを もらうのも わすれて いるのでした。三日も、四日も ごはんを たべないで、じっと がくもんを して いることが ありました。
今日も あさから なんにも たべないで、みずばかり のんで いたのです。
そのときは 一休さんが すぐ きんじょの いえに いって、おこめを もらって、おしょうさまに ごはんを たいて あげましたが、そんな ぐあい ですから、がくもんでは 京のみやこで いちばんだ と いわれる さいごんじの おしょうさまも ころもは ぼろぼろ、みちを あるくときは みぞの わきで ひろった 竹のぼうを つえに ついて あるくので、みちで あそんでいる 子どもたちは、
「やーい、こじきぼうず。」と、はやしたてる ほどでした。
おてらの なかも ぼろぼろ――それでも、おしょうさまの おへやには 本が 山のように つまれて いました。
つぎの日、おしょうさまは、一休さんを へやに つれていって、
「そうじゅん、これを よめ。」
と、かべに はってある かみを ゆびさしました。
そこには むそうこくし と いう えらい ぼうさんのかいた、ぼうさんの わけかたが はって ありました。
上とうの ぼうず――もうれつに しゅぎょうして、ほんとうの ぼうずの みちに たっした ぼうず。
中とうの ぼうず――しゅぎょうが ふつうで、ものわかりの いい ぼうず。
下とうの ぼうず――おてらの しきたりだけを まもって いる ぼうず。
この 下とうの ぼうずが 二つに わかれて いました。
一、本は たくさん よんでも、うたなどばかり つくって ほとけの おしえを わすれた ぼうず。これは あたまを そった ただの人。
二、ごちそうばかり ほしがって、かってなことを しているぼうず。
「せけんには 下とうの二の ぼうず ばかり おおいですね、おしょうさま。」
それを よんで 一休さんが いいました。
「そうだよ。十にんの うちの 八にんまでは 下とうの 二だ。」
「あんこくじの おしょうさまは どのくらいでしょう。」
あんこくじは まえの おてらです。
「そうだね。まず、中とう かね。」
「よしみつ公は 下とうの 二ですね。」
「まだ、下とうの 二にも いかないよ。」
「おしょうさまは どのくらい ですか?」
「おれか。おれは 上とうに はいりかけて いる ところだ。おまえも ぼうずに なったからには、上とうの上に ならなくては いけないよ。」
「はい!」