一休さん

21話 わかれを つげて

1,172字 約2分 2021年6月25日 公開

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 まだ お(かあ)さまが じょうぶで、京都(きょうと)の はずれに すんでいました。さいごんじを でた 一休(いっきゅう)さんは、ひさしぶりに (はは)の もとを たずねていきました。

「お(かあ)さま、わたしは びわこの ほとりに しゅぎょうに いきます。しばらく おわかれに まいりました。」

「びわこの どこに いく つもりじゃ。」

「かそうさまの おでしに して いただきたいと おもいます。」

 かそう という ぼうさんは むらさき()の (だい)とくじ という りっぱな おてらの じゅうしょく でしたが、そのころの だらくした ぼうさんばかり いる 京都(きょうと)を のがれ、びわこの かただの ほとりに、みすぼらしい いおりを たてて、そこで ふかい しゅぎょうを している、よにも まれな とくの たかい ぼうさんでした。

「それは けっこうです。でも おまえは どなたかの てがみを いただいて いますか?」

 お(かあ)さまは たずねました。

「いいえ。」

「それでは むずかしいのじゃないか。かそうさまは めったに でしを とらぬと もうします。」

「でしに してくださらなければ、いおりの まえに ざぜんを くんで、しんでも うごかぬ かくごです。」

「そうですか。それほどの けっしんが あるなら、かそうさまも きっと でしに してくださるでしょう。」

 それから 三日(みっか)めの ことです。一休(いっきゅう)さんは、かそうさんの いおりを たずね、でしに してください、と たのみましたが、でしの 一人(ひとり)に、あっさりと ことわられ、かそうさんには あうことも できませんでした。

 その()の ことです。(つき)あかりの したで ひとりの としよりの りょうしが、びわこで あみを かけていますと、なにか とても おもいものが あみに かかりました。

 あみを ひきあげて みると、おもいのも そのはず、わかい ぼうさんの したいでした。

 かそうおしょうに もんぜんばらいを くった 一休(いっきゅう)さんが、かなしみの あまり、びわこに みを なげたのでした。

 まだ しんぞうの こどうが ありました。

 しんせつな りょうしは 一休(いっきゅう)さんを いえに つれてきて かいほうして くれたので、一休(いっきゅう)さんは いきかえりました。

「どうして みなげなど したのです。」

 じいさんと ばあさんが ききました。

 一休(いっきゅう)さんが わけを はなしますと、じいさんと ばあさんは、

「それでは しばらく わたしの いえに とまっていて、ねっしんに たのみなさい。」と、いってくれました。

「ああ、わたしは かそうさまの ゆるしを うけるまでは、いおりの まえで しぬまで ざぜんを くむ つもりだったのに、こんな ことでは とても だめだ。」

 一休(いっきゅう)さんは そう おもいかえして、それからも なんども なんども かそうさんの いおりを たずねましたが、そのたびに おいかえされました。

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