一休さん

25話 たびに でる

1,063字 約2分 2021年6月25日 公開

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 こうして、一休(いっきゅう)さんは かそうさんの もとで、いろいろだいじな べんきょうを しましたが、五ねん()の あるよの ことです。

 あんなに きびしい おしょうさまが、その()は にこにこして、

一休(いっきゅう)、おまえは わしの もとにきて 五ねん あまりになるな。」

 と、はなしかけました。

「はい、ゆめの ように すぎました。」

「わしは おまえに わしの がくもんの すべてを おしえた。また おまえの こころは どんなに わるい ぼうずと まじわっても、もはや けっして けがれる ことの ない、ふかい ところに たっした。もう おまえは この いおりを そつぎょうして いいぞ。」

「はい。みな おしょうさまの ごおんで ございます。」

「ついては、おまえに さしょうを あたえたい。」

 さしょうと いうのは、いまの そつぎょうしょうしょと おなじものです。わしの もとで 五ねんあまり こっくべんれいして、ぶっきょうの おうぎに たっしたと いう しるしです。

 かそうさまの さしょうは、どんな りっぱな てらの じゅうしょくにも なれる (たか)い ねうちの あるものです。

 が、一休(いっきゅう)さんは いいました。

「おしょうさま、ありがとうございます。でも、わたしは ごじたい いたします。」

「いらぬか?」

 おしょうさまは やさしく いいました。

「はい……。」

一休(いっきゅう)よ。おまえは わしの あとを ついで、(だい)とくじの じゅうしょくに なって もらわねばならぬ。それには この さしょうが いるのじゃ。」

 かそうさまは 一休(いっきゅう)さんを じぶんの あとつぎにして、むらさき()の (だい)とくじの じゅうしょくに しようと して いたのでした。

「はい。おしょうさまの おなさけに そむくようで こころが いたみますが、わたしは てらの じゅうしょくには なりたく ございません。てらの じゅうしょくに なれば、いろいろ わずらわしい (ひと)とも、また えらい(ひと)とも つきあわねば なりません。そう すると わたしの こころは けがれます。それよりも わたしは いっしょう ひとの みちを さぐり、ほとけの みちを たずねる きゅうどうしゃと して おくりたいと おもいます。」

 かそうさまは それを きくと、

「そうか。一休(いっきゅう)、よく いった。わしも そのみちを あゆみたいと おもった くらいじゃ。一休(いっきゅう)よ、おもう みちを あるくが よい。」

 と、いって、一休(いっきゅう)さんを はげまして くれました。

 ある()一休(いっきゅう)さんは おしょうさまの ゆるしを えて どこへとも しれぬ たびに でました。

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