一休さん

28話 正月の しゃれこうべ

1,025字 約2分 2021年6月25日 公開

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 あるとしの 正月(しょうがつ)の がんじつの ことでした。

 一休(いっきゅう)さんは、しゃれこうべを たけの さおに つきさして、(きょう)の (まち)を あるきまわりました。(まち)の ひとは、

「いやな ぼうずだな。」

「この おめでたい お正月(しょうがつ)に、しゃれこうべを もちあるく なんて、なんて ぼうずだろう。」

 と、(おお)さわぎを しました。

 そのうち 一休(いっきゅう)さんは 四じょう むろ(まち)の 京都(きょうと)いちばんの (おお)がねもち ぜにきゅうの いえに あらわれました。

 元日(がんじつ)の ことですから、しゅじんの きゅうべえは いえの ものを みんな あつめて、とそを いわい、おぞうにを たべていました。

 すると そこに、しゃれこうべを もった うすぎたないぼうずがあらわれたのですから、きゅうべえは びっくりして、

「やい、この きちがいぼうずめ。」と、おこりました。すると 一休(いっきゅう)さんは、おきょうでも よむような ふしを つけて、

かどまつは めいどの たびの 一りづか

  めでたくも あり めでたくも なし

 と、うたい、つづけて、

正月(しょうがつ)の ぎしきは ()ぬる ことはじめ

 どんどは ()そう 二十日(はつか) ほねあげ

 と、うたって、()を ぱちくりしている きゅうべえを しりめに、さっさと どこかへ いって しまいました。

 なんと いっても、お正月(しょうがつ)は めでたい ときです。その めでたい ときに、一休(いっきゅう)さんは どうして そんなことをして、ひとを いやがらせたのでしょう。

 それは、こういう わけでした。

 そのころ 京都(きょうと)の まちは (たい)へん ぜいたくに なっていました。それ ばかりでなく、かねかしとか、よくないものが はびこって、たかい りしを とっては ひとびとを くるしめて いました。

 一休(いっきゅう)さんは それを いましめようと したのでした。

 ことに ぜにや きゅうべえは、かねかしの なかでも いちばん たちの わるい やつで、きゅうべえから かねを かりた ひとは、みな くるしんで いました。それで、一休(いっきゅう)さんは きゅうべえの いえには わざわざ たちよって、しゃれこうべを つきつけ、

「おまえは、かね かねと いって、びんぼうにんから たかい りしを まきあげ、じぶんだけ ぜいたくをして ひとを くるしめて へいきで いるが、おまえが いくら かねを ためても、しんで しまえば、この しゃれこうべと おんなじに なるのだよ。かねは あのよに もって いかれない。ちと こころを あらためなさい。」

 と、いましめようと したのでした。

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