28話 正月の しゃれこうべ
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あるとしの 正月の がんじつの ことでした。
一休さんは、しゃれこうべを たけの さおに つきさして、京の 町を あるきまわりました。町の ひとは、
「いやな ぼうずだな。」
「この おめでたい お正月に、しゃれこうべを もちあるく なんて、なんて ぼうずだろう。」
と、大さわぎを しました。
そのうち 一休さんは 四じょう むろ町の 京都いちばんの 大がねもち ぜにきゅうの いえに あらわれました。
元日の ことですから、しゅじんの きゅうべえは いえの ものを みんな あつめて、とそを いわい、おぞうにを たべていました。
すると そこに、しゃれこうべを もった うすぎたないぼうずがあらわれたのですから、きゅうべえは びっくりして、
「やい、この きちがいぼうずめ。」と、おこりました。すると 一休さんは、おきょうでも よむような ふしを つけて、
かどまつは めいどの たびの 一りづか
めでたくも あり めでたくも なし
と、うたい、つづけて、
正月の ぎしきは 死ぬる ことはじめ
どんどは 火そう 二十日 ほねあげ
と、うたって、目を ぱちくりしている きゅうべえを しりめに、さっさと どこかへ いって しまいました。
なんと いっても、お正月は めでたい ときです。その めでたい ときに、一休さんは どうして そんなことをして、ひとを いやがらせたのでしょう。
それは、こういう わけでした。
そのころ 京都の まちは 大へん ぜいたくに なっていました。それ ばかりでなく、かねかしとか、よくないものが はびこって、たかい りしを とっては ひとびとを くるしめて いました。
一休さんは それを いましめようと したのでした。
ことに ぜにや きゅうべえは、かねかしの なかでも いちばん たちの わるい やつで、きゅうべえから かねを かりた ひとは、みな くるしんで いました。それで、一休さんは きゅうべえの いえには わざわざ たちよって、しゃれこうべを つきつけ、
「おまえは、かね かねと いって、びんぼうにんから たかい りしを まきあげ、じぶんだけ ぜいたくをして ひとを くるしめて へいきで いるが、おまえが いくら かねを ためても、しんで しまえば、この しゃれこうべと おんなじに なるのだよ。かねは あのよに もって いかれない。ちと こころを あらためなさい。」
と、いましめようと したのでした。