文語詩稿 五十篇

30話 〔あな雪か 屠者のひとりは〕

115字 約1分 2002年5月29日 公開

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「あな雪か。」屠者のひとりは、  みなかみの闇をすかしぬ。

車押すみたりはうみて、      いらへなく橋板ふみぬ。

「雉なりき青く流れし。」     声またもわぶるがごとき。

落合に水の声して、        老いの屠者たゞ舌打ちぬ。

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