佐藤春夫詩集

22話 消閑雜詩 海の若者

106字 約1分 2022年4月9日 公開

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若者は海で生れた。

風を孕んだ帆の乳房で育つた。

すばらしく巨くなつた。

或る日 海へ出て

彼は もう 歸らない。

もしかするとあのどつしりした足どりで

海へ大股に歩み込んだのだ。

とり殘された者どもは

泣いて小さな墓をたてた。

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