15話 再びドン助の行方
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「おいおい、君は何をしとるのか。こんなところにいると危いじゃないか」
と、蟹寺博士がつかつかと敬二のところへやってきた。
「ああ博士。僕はドン助を探しているのです」
「ドン助? はて、そのドン助というのは、誰のことじゃ」
「ドン助というのは、僕の親友ですよ。コックなんです。すっかり酔払って、ここに積んであった空箱のなかに寝ていたはずなんですがねえ」
「なに、この空箱のなかに寝ていたというのかね」博士は目をぱちくりして「そしてドン助は見つかったかね」
「だから今も云ったとおり、そのドン助を探しているのですよ。ところがどこにも見つからないんです」
「ふむ、そうか」と博士は腕ぐみをして考えていたが、
「これはひょっとすると、たいへんなことになったかもしれないぞ」
「えッ、たいへんとは何です。早くいって下さい」
「実はな、さっき○○獣が、この空箱の山をカリカリ音をさせて喰いあらしたのじゃ。空箱はつぎからつぎへと下へ崩れおちてくる。そこをカリカリカリと○○獣は喰いつづけたのじゃ。ひょっとすると、そのドン助というのは、そのときこの○○獣に喰われてしまったかもしれないよ」
「ええっ、ドン助が○○獣に喰べられてしまいましたか」
それを聞くと、敬二は頭がぼーっとしてきた。人もあろうに、ドン助が○○獣に喰われてしまうなんて、なんということだろう。ドン助は喰われてしまって、どうなったであろうか。
「博士、○○獣に喰べられて、どうなっちまったんでしょうか」
「さあ、そこがどうも分らんので、いま研究中なのじゃ」
敬二は思いついて、博士に○○獣の写真を出してみせた。こいつは博士を興奮させたこと、非常なものであった。
「おお、これじゃ、これじゃ。儂の想像していたとおりじゃった。二つの球体が互いにぐるぐる廻っているのがよく分る。はて、こういうわけなら、○○獣を生擒に出来ないこともないぞ」
「○○獣を生擒にするんですか」
敬二は我をわすれて躍りあがった。○○獣の生擒なんて、いまのいままで考えていなかったことだ。もし生擒にできたなら、○○獣の謎の正体もはっきり分るだろう。
二人が○○獣の生擒の話で夢中になっているとき、二人の傍には、いつ何処から現れたかしらないが、例の黒眼鏡の断髪の外国婦人が忍びよって、そこらに散らかっている雪のように白い木屑を、せっせと掃きあつめてはメリケン粉袋にぎゅうぎゅうつめこんでいた。