11話 古事記 上つ卷 序并はせたり 〔系譜〕
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その櫛名田比賣を隱處に起して一、生みませる神の名は、八島士奴美の神。また大山津見の神の女名は神大市比賣に娶ひて生みませる子、大年の神、次に宇迦の御魂二柱。兄八島士奴美の神、大山津見の神の女、名は木の花知流比賣に娶ひて生みませる子、布波能母遲久奴須奴の神。この神淤迦美の神の女、名は日河比賣に娶ひて生みませる子、深淵の水夜禮花の神。この神天の都度閇知泥の神に娶ひて生みませる子、淤美豆奴の神二。この神布怒豆怒の神の女、名は布帝耳の神に娶ひて生みませる子、天の冬衣の神、この神刺國大の神の女、名は刺國若比賣に娶ひて生みませる子、大國主の神三。またの名は大穴牟遲の神といひ、またの名は葦原色許男の神といひ、またの名は八千矛の神といひ、またの名は宇都志國玉の神といひ、并はせて五つの名あり。
一 隱れた處に事を起して。婚姻して。以下スサノヲの命の子孫の系譜であるが大年の神とウカノミタマの神とは穀物の神で下の五二頁に出る系譜の準備になる。その條參照。
二 出雲國風土記に諸地方の土地を引いて來たという國引の神話を傳える八束水臣津野の命。
三 古代出雲の英雄で國土の神靈の意。代々オホクニヌシでありその一人が英雄であつたのだろう。以下の別名はそれぞれその名による神話がありすべてを同一神と解したものであろう。