56話 古事記 中つ卷 〔倭建の命の系譜〕
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この倭建の命、伊玖米の天皇一が女、布多遲の伊理毘賣の命に娶ひて生みませる御子帶中津日子の命二一柱。またその海に入りましし弟橘比賣の命三に娶ひて生みませる御子、若建の王一柱。また近つ淡海の安の國の造の祖、意富多牟和氣が女、布多遲比賣に娶ひて、生みませる御子、稻依別の王一柱。また吉備の臣建日子が妹、大吉備の建比賣に娶ひて、生みませる御子、建貝兒の王一柱。また山代の玖玖麻毛理比賣に娶ひて生みませる御子、足鏡別の王一柱。またある妾の子、息長田別の王。およそこの倭建の命の御子たち、并はせて六柱。かれ帶中津日子の命は、天の下治らしめしき。次に稻依別の王は、犬上の君、建部の君等が祖なり。次に建貝兒の王は、讚岐の綾の君、伊勢の別、登袁の別、麻佐の首、宮の首の別等が祖なり。足鏡別の王は鎌倉の別、小津の石代の別、漁田の別が祖なり。次に息長田別の王の子、杙俣長日子の王。この王の子、飯野の眞黒比賣の命、次に息長眞若中つ比賣、次に弟比賣三柱。かれ上にいへる若建の王、飯野の眞黒比賣に娶ひて生みませる子、須賣伊呂大中つ日子の王。この王、淡海の柴野入杵が女、柴野比賣に娶ひて生みませる子、迦具漏比賣の命。かれ大帶日子の天皇、この迦具漏比賣の命に娶ひて生みませる子、大江の王一柱。この王、庶妹銀の王に娶ひて生みませる子、大名方の王、次に大中つ比賣の命二柱。かれこの大中つ比賣の命は、香坂の王、忍熊の王の御祖なり。
この大帶日子の天皇の御年、一百三十七歳、御陵は山の邊の道の上四にあり。
一 垂仁天皇。
二 仲哀天皇。
三 この事、一一一頁に出ている。
四 奈良縣磯城郡。