女中

石川 善助 完結 全1話 124字 約1分 2022年5月16日 更新

台所は暗くものの焦げる匂ひがした。 前掛ばかり白い婦のひとは、 一日たわしのやうに濡れて汚なく、 一日叱られながら働き疲れ、 若さを洗濯板のやうに減らすのであつた。 夕暮いつも露路へ滲んでくる、 人脂を炙るやうな重いものは、 その人の生が乾いてゆく匂ひであつた。
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底本: 日本の詩歌 26 近代詩集(中央公論社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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