『火星兵団』の作者の言葉

3話 一人残らず科学ずきにするために

686字 約1分 2011年2月9日 公開

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 しかしこのような話だけを書いたのでは、なかなか皆さんは、読んでくださらない。それで私は、皆さんがよろこんで読んでくださる少年少女むきの科学小説にして、さしだしたわけです。

 この『火星兵団』を読んでくださる方々が、みな同じ感想をおもちになるとは思いません。

『これはたいへんだ。僕は、えらい科学者になって、国を救ってみせるぞ』と感ずる少年諸君もありましょうが、中にはまた『ああ恐しかった。でもよかった、ああおもしろかった』と、ただそれだけをお感じになる方もありましょう。なるべくなら、前の少年諸君のように感じていただきたいのですが、後の場合でもわるいとは思いません。なぜかというと、とにかくこの小説を読まれた方は、どなたでも、すっかり科学とおなじみになり、更にもっとふかく科学を知りたいと、思われるようになるにちがいないからであります。科学に対するおなじみがついただけでも、私としてはうれしいのです。皆さんが、これを御縁に、ぞくぞくと科学に関心をもたれ、また進んで科学の門へお入りになってくださることになれば、私は更にうれしいのです。たくさん集ってくださればくださるほど、わが国の未来の科学力は強大となるものと考えていいからです。なぜなら、いま日本は、早くそしてたくさんの科学者を必要とするからです。そして小さいときから、科学におなじみで、そして熱心な皆さんの中から、やがて続々と、わが国のためになる大した発明や、りっぱな設計が生まれるであろうことは、いうまでもありません。

 大分長く書きましたが、これが『火星兵団』を書いた動機の一つであります。

 それから、まだありますよ。

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