南半球五万哩

45話 第六、欧州大陸紀行 四五、首府クリスチャニアよりスウェーデンに向かう

560字 約1分 2011年10月25日 公開

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 四日、雨。夜半の雷雨いまだやまず、ときどき雷鳴あり。公園、王宮、大学、博物館等を一覧す。市街は石造にして、往々壮大の建築あるを見る。午後六時発車夜行にて、スウェーデンに向かう。この間平原麦田のみ。江流にそいて進行し、国境に至りて停車し、税関の検閲あれども厳ならず。終宵車中に臥す。

 五日、晴れ。午前七時半、スウェーデン首府ストックホルムに着す。午前、わが公使館を訪問し、午後、公園、博物館、王宮、議事堂、寺院等を一覧す。当市は人口三十三万二千七百五十人ありて、クリスチャニアより多きこと十万余なり。しかして建築の壮大、市街の美麗、往来の頻繁なる等は、到底クリスチャニアの比較にあらず。パリ、ベルリン、ウィーンに次ぐべき都会なり。ことに市街に海水を挟み、州あり橋ありて特種の風致を帯ぶるは、欧州第一と称して可なり。日中は暑気強く、わが三伏の時に譲らず。聞くところによるに、本年は近年希有の大暑なりという。しかして林下に入れば、枯れ葉の落下を見る。ゆえに、左の一絶を得たり。

一湾曲水繞王宮、夕照波橋幾弓、歩入公園多落葉、典都八月秋已風。

(湾内の曲がりくねる水は王宮をめぐり、夕日は波に照り映えて橋は弧を描く。公園に歩き入れば落葉多く、(スウェーデン)の首都の八月はすでに秋風が吹いている。)

 当夜は停車場前ホテル・コンチネンタルに宿す。

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