野分

夏目 漱石 完結 全13話 9.3万字 約3時間7分 1999年2月24日 更新

一 白井道也は文学者である。 八年前大学を卒業してから田舎の中学を二三箇所流して歩いた末、去年の春飄然と東京へ戻って来た。流すとは門附に用いる言葉で飄然とは徂徠に拘わらぬ意味とも取れる。道也の進退をかく形容するの適否は作者といえども受合わぬ。縺れたる糸の片端も眼を着すればただ一筋…
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初出 — 「ホトトギス」1907(明治40)年1月

底本: 夏目漱石全集3(ちくま文庫、筑摩書房) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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