四つの都

33話 四つの都 三三 町。

287字 約1分 2013年7月30日 公開

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十吉、歌をうたいながら歩いて行く。福島少佐シベリヤ行の歌。

十吉「一日、二日は晴れたれど、三日、四日、五日は雨に風」

向うから、夜店出しが荷車を引っ張って来て、十吉が「雨に風」と歌ったとたん吃驚して引返す。

名曲堂の表まで来ると、葉子が表に立っていて、話しかける。

葉子「なんぜ戻って来やはったん?」

夜店出し「新聞記者のあの蜂谷さんにばったり会うたんや、あの人の顔見るときっと雨やさかいな」

葉子「えらい人に会わはってんなア」

夜店出し(小鳥籠が店の軒につるしてあるのを見て)「どないや、鳴いたか?」

葉子「鳴けへんわ。ここへつるしたら鳴くやろ思たけどあかんわ」

籠をもって店の中へはいる。

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