45話 四つの都 四五 教室の廊下。
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庄平と清子が立ち話している。
窓から、団体行進が見える。
庄平「野戦病院へ送られて来た顔を見て、おやっと思いました、見た事のある顔だなァと思ってよく見ると、それが尾形伍長……つまり、あなたの兄さんだったのです、僕は夜通し看護しましたが、明け方には到頭……立派な最期でした」
清子(涙をこらえて)「兄も中学時代のお友達の軍医さんに看護して戴いて……さぞかし……」
庄平「しかし、あなたがこんなに元気に、強く生々としていらっしゃるのは、意外でした、いや、僕も安心しました、僕は今日尾形君の命日にこうしてお眼に掛るまでは、実はあなたのことが心配で心配でならなかったのです。しかし、もう安心です。尾形君もきっと何処かであなたを見て安心しているでしょう」
庄平の話の途中で、拡声機の声が聞える。
拡声機の声「女子青年団の行進は終りました、次は女子職員の百米徒歩競争であります、出場の先生はすぐ御用意下さい」
清子、キッと顔を上げる。
清子「私、一寸失礼します」
庄平「はあ……?」
清子(微笑した明るい表情で)「百米、走って参ります」
清子、廊下を駈け出す。