46話 四つの都 四六
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庄平、廊下を出て、見ている。
その庄平を、初枝がそわそわと見ている。
清子、決勝点へ入る。
初枝、放送する。
初枝「只今の女子職員の競争の成績を申し上げます、一着、尾形清子先生!」
放送する初枝の顔へ、雨が降って来る。
テントの外へ、シルクハットの頭を出していた来賓の頭上へも、雨が降る。
来賓慌てゝ、頭をひっこめて、シルクハットを取る。頭が禿ている。
観覧席、雨で動揺する。
その中に、蜂谷十吉が、まるで当然の如くまじっているのが、不気味だ。(雨男の真髄はこゝに至って完全に発揮されたのである)
初枝、放送する。雨。
初枝「次は女子高等科二年生の薙刀体操であります」
放送しながら、さきに庄平の立っていた処を見る。
しかし、庄平は、もういない。
初枝、失望する。