斎藤茂吉の死を悲しむ

1話 斎藤茂吉の死を悲しむ

341字 約1分 2022年2月25日 公開

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友の死を聞きししばらく京の夜の炬燵もさむくもの言はずけり

觀潮樓歌會に寄りし友おほく世を去りたるにわが茂吉また

如月の下浣(すえ)の童馬忌來るごとに京の寒さもうべとおもはむ

われやなほ無頼(ぶらい)なりしよ「赤光」のおひろの歌を愛でたるころは

淺草の觀音堂ををろがめる友の寫眞を取(と)り出(で)かなしむ

うで玉子買ひたる歌をおもふとき淺草(あさくさ)夜空(よぞら)目にうかび來る

寛(くわん)左千夫(さちを)信綱茂吉と膝並(な)めて歌つくりしも明治の末か

長崎に陳玉(ちんぎよく)といふむすめゐて友と往きしもおもひでとなる

友の死を聞きて門邊にわれ乞へど遊行念佛僧(ゆぎやうねぶつそう)いまだ來らず

二月堂の水取ちかし友の死をおもへばいとど寒さきびしく

友われの手を握りつつもの言ひし去年(こぞ)の最後のかの日思ふも

四十年を越ゆる交(まじは)り思ひ居れば如意嶽おろし吹きてかなしき

京都にも君の弟子ゐてその死をば宗碵(そうせき)茂樹(しげき)かなしみてゐむ

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