下頭橋由来

吉川 英治 完結 全3話 6,091字 約12分 2013年3月15日 更新

十八になるお次が、ひとつの嫁入りの資格にと、巣鴨村まで千蔭流の稽古に通い始めてから、もう二年にもなる。 その間ずうっと、彼女は家を出るたび帯の間へ、穴のあいた寛永通宝を一枚ずつ、入れて行くのを忘れた日はなかった。 「あんな、張合いのある乞食ってないもの――」 と、自分の心へ言い訳…
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初出 — 「オール読物 五月号」1933(昭和8)年

底本: 柳生月影抄 名作短編集(二)(吉川英治歴史時代文庫、講談社) ※青空文庫の公有作品です。入力・校正は青空文庫の方々によるものです。

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