私本太平記 11 筑紫帖
妙な噂が立った。 それも宮中からである。正成諫奏の直後だった。 「河内守が乱心した」 「いや気鬱の程度だとか」 「何、そうでない。君前にてあるまじき狂語を吐き、ために謹慎を命じられたものだそうな」 「さよう。自分の聞いたところもそれに近い」 と、いったような臆測まじりの風聞だった…
これは青空文庫の作品です。著作権の切れた作品を、 読みやすさを確かめるために置いています。 図書カードを見る
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妙な噂が立った。 それも宮中からである。正成諫奏の直後だった。 「河内守が乱心した」 「いや気鬱の程度だとか」 「何、そうでない。君前にてあるまじき狂語を吐き、ために謹慎を命じられたものだそうな」 「さよう。自分の聞いたところもそれに近い」 と、いったような臆測まじりの風聞だった…
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